PHP新書『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』読了。

 

 

新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか (PHP新書)

新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか (PHP新書)

 

 

 読んだ理由:題名のインパクト。

 

福島の原発が水素爆発を起こしたとき、私は偶然、電力会社に勤務していたことのある人と会食していた。その人に、会社関係の友人から連絡があり、日本の原発はもうだめになったと聞いた。

自宅に戻ると、当時のニュースは、その爆発は深刻なものではないと伝えていた。

その後も、メルトダウンは起こっていないかのような報道が続いた。

この本に書かれているように、わたしもまた、あの3・11を契機に報道を鵜呑みにすることの危険性に気づいた一人だと思う。

ほんとうに、「なぜ平気でウソをつくのか?」と折に触れては考えていた。

 

結論から言うと、この本だけで謎が解けたとは言えない。

でも、理由の一部はわかったかもしれない。情報を慎重に吟味すること。

あらためて自分に言い聞かせる。

 

付箋をつけたところ:

p38

公人である政治家に匿名性はない。官僚もまた然りである。

p143

かつてマッカーサーは「日本人の精神年齢は12歳」と言い放ったが、小さな世界しか知らず、自分の殻に閉じこもり、知らないものがやってくると真っ先に攻撃を加えようとする幼児性は日本のマスメディアによって体現され、日本人の精神性に悪影響を及ぼしている。

現代ではインターネットメディアや海外メディアの台頭によって、さまざまな情報が世の中に出回るようになった。インターネットを活用している人間、また日本人でも海外を基点としている人間は、情報の扱いに関してこの「幼児性」から脱却している。そもそも情報は多様であることを理解し、多くの情報のなかから、リテラシーを働かせて自力で「真実」を読み取っているのだ。

p198

結果にとらわれず、世間の評価を気にせず、自分のやりたいことに従って生きるー一般的にこれは困難なことだとみなされがちだが、じつはそれほど難しいものでもないと思う。