現代語訳「論語」、読了。

 

現代語訳 論語 (ちくま新書)

現代語訳 論語 (ちくま新書)

 

 選んだ理由:論語にはずっと興味がありましたが、とっつきにくかった。

読みやすい現代語訳を見つけて、挑戦してみました。

感想:

あとがきに訳者の斎藤先生が、このように書いています。

p176

ところで、『論語』を「精神の基準」とするときに、いちばん核になる考え方というのはなんでしょか。私は、それは「学ぶことを中心として人生を作り上げていること」だと思います。今回、『論語』を訳していて、いちばん共感したのも、まずこの点でした。

 

わたしも、この言葉に大いに共感しました。

 

付箋をつけたところをメモ:

p19

先生が言われた。

「自分をわかってもらえないと嘆くより、人を理解していないことを気にかけなさい」

p48

「品性ある君子は、より善く生きるにはどうすべきかを考えるが、品性なき小人は安楽な生活をすることを考える。君子はあやまちを犯せば罰があることを意識し、身をただす。小人は物質的な幸運を望む。」

p89

「粗末な飯を食べ、水を飲み、腕を枕にする。このような生活の中にも楽しみはあるものだ。ただしくないことをして金持ちになり、身分が高くなるようなことは、私にとっては浮き雲のようにはかないことだ。」

p92

先生は<文>・<行>・<忠>・<信>という四つのことを教えられた。(詩書礼楽を学ぶこと<文>、学んだことを実践すること<行>、人に真心をもって接すること<忠>、嘘偽りのないこと<信>である。)

p98

「君子は心が安らかでのびのびしているが、小人はいつでもくよくよ思い悩んでいる。」

p110

先生には、次の四つのことがけっしてなかった。

自分の私意で勝手にやる<意>がなく、何でもあらかじめ決めた通りにやろうとする<必>がなく、一つのことに固執する<固>がなく、利己的になって我を張る<我>がない。

p149

「自分の欲に克ち、<礼>という規範にかえる〔克己復礼〕が<仁>ということだ。」

ー中略ー

「礼にはずれことは、見ず、聞かず、言わず、せず。ということだ。」

p214

子貢が、「ただ一つの言葉で一生かけて行う価値のありものはありますか。」とおたずねした。」

先生はこう言われた。

「それは<恕>だね。思いやりということだ。自分が人にされたくないことは、人にもしないように。」

p216

「過ちをしても、改めない。これを本当の過ちという。」

p228

「生まれつきわかっているものが最上である。学ぶことによって理解するものは、その次だ。ゆきづまって学ぶものがその次であり、ゆきづまっても学ばないのが、最低だ。」

 

 

ひととおり、この本を読みとおすことができたので、

今度は原文に挑戦したいと思います。

同じ、斎藤先生の「声に出して読みたい論語」を注文するつもり。

 

文庫 声に出して読みたい論語 (草思社文庫)